八女市9月に開催されます「あかりとちゃっぽんぽん」のまつりをご紹介します。公式サイトです。ぜひ9月八女福島へ、まつりに遊びにお越しいただければ幸いです。

昭和9年以来、受け継がれている燈籠人形

燈籠人形

福島八幡宮に奉納されていた燈籠人形が、カラクリ人形に

お盆を過ぎた8月下旬、八女福島の白壁の町並みの中にある福島八幡宮の境内では、屋台といわれる仮設舞台の組み立てがはじまります。9月22、23、24日の3日間に限り、この屋台の2階では賑やかなお囃子が鳴り響き、美しい着物を着た燈籠人形が華やかに舞い踊ります。この3日間は、八女の町並みにも人々の心にもパッとあかりが灯ります。

 今でこそ、この燈籠人形は、カラクリ人形として八女福島の燈籠人形保存会のメンバーの手によって上演されているのですが、もともとは、福島八幡宮に人形の燈籠を奉納していたといわれています。なぜ、その燈籠人形が舞い踊るようになったのでしょうか。

「福島組大庄屋に松延甚左衛門という人がいて、この人がいったん八女を離れ大阪へ行ったんです。その大阪で魅せられたのが人形浄瑠璃の世界。やがて人形浄瑠璃作家となって活躍し、39才の時に八女に戻って来ます。そして、それまで動きのなかった燈籠人形を、動く仕組みに変えたのです。それが、1772(明和9)年と言われています」と話すのは、保存会副専門委員長の諸冨和生さん。

「お茶を運ぶカラクリ人形『茶酌娘』の制作や、現在の東芝につながる田中製作所を起こしたことで知られる田中久重さんが20代前半のころ、カラクリの仕組みの助言をされて、だんだんと動きが細やかになり、今のカタチが作られました」

各町内でカラクリを競い合うことで、洗練されていく

 八女の燈籠人形のカラクリは、動かす動作が八女独自。まず、横遣いといって、舞台の左右の楽屋にそれぞれ6名、合計12名で操ります。左手、右手、首、体などをそれぞれが担当し、2本の棒で突いて動かしていく独特の手法です。もう一種類が下遣いといって、1体の人形を舞台下で6人が操ります。それぞれ手、首、体を担当するのは横遣いと同じです。軽やかに舞う人形の陰には、八女人の力が結集されているのです。

「現在の唄、囃子は福島の燈籠人形独特の地唄です。それをどう人形の舞で表現するかが難しいところ。人形の動きは単調で、1つの動きしかできません。2階から狐が飛び出す演出のある芸題では、観客がアッと驚き、大きな見せ場になります」と諸冨さんは語ります。

「屋台は、高さ8m、幅14m、奥行き6mの3層2階建てで組み立て式になっています。かつては11の町内が当番制で上演を行っていましたので、この屋台を組み立てるのは大ごとでした。また、町内ごとで、人形が動くカラクリを競い合うようになっていくんですよ。燈籠人形が大いに盛り上がっていた時代もありますが、人手不足や経費の問題で町内ごとに行うのが難しくなり、1957年(昭和32)に保存会が結成されました」と話すのは、八女福島の燈籠人形保存会会長の牛島和良さん。現在、八女福島の燈籠人形保存会のメンバーは、約70人。上は80代から下は10代の小学生までで、一番長い人で40年以上在籍しています。

「やっぱり、昔からの人たちが、支えないかんと私は思っています。昔から当たり前にある伝統文化。それを絶やさんようにしていかないと。自分たちがやらないとすたれてしまう。いかに若手に伝えていくか、それが我々の役割であり、会長としての責任だと思っています」

この燈籠人形のあかりを灯し続けようと行われているのが、あかりとちゃっぽんぽんです。このちゃっぽんぽんは、鼓の音色。ちゃっぽんぽん、ちゃっぽんぽん。賑やかな鼓の音色に包まれ、燈籠人形の世界へ足を踏み入れてみませんか。